そもそも「梅雨」って?「雨季」とは何が違うの?と思う方もいるかもしれません。
実は世界的に見て「梅雨」というのは、日本を含む極東アジアにしかない、6月から7月に訪れる「雨季」を指します。 「梅雨」は、季節風がもたらす梅雨前線によって降る雨をさすため、梅雨前線がかかる中国や韓国、台湾といった一部の国にしかないのです。
しかし、世界を見れば地域によっては「雨季」と呼ばれ、1年で最も多く雨が降る季節があります。雨の降り方や雨の呼び名など、地域ごとに紹介していきます。
コロナ禍で行けなかった海外旅行が解禁され、これから世界旅行を楽しまれる方が増えることでしょう。機会がある方は、ぜひ世界の雨を体験してみてください。平均して5月から7月頃にかけ、梅雨前線(baiu front)の影響により降る雨を指します。
しとしと(drizzling)やぱらぱら(shower)降る雨から、ざーっと降る雨(heavy rain / pouring)など、前線によって様々な雨が降ります。また、湿度も高くなり、じとじと(humid)する日が多いです。
多くの人は傘を差し雨をしのぎますが、時には強い風と共に暴風雨(rainstorm)になることもあります。そんな時は逆に傘をさすのは危険です。雨量によっては局地的な大雨で災害へとつながることもありますので、雨が激しい時の外出は控えるようにしましょう。
主な国:ベトナム、フィリピン、インドネシアなど
東南アジアでは、赤道に近い国(熱帯気候:tropical climate)とそうでない国で雨季に差があります。
平均的には5月から10月頃まで長い雨季があり、短時間のうちに天候が変化し大雨をもたらすスコール(squall)と呼ばれる雨は、多くの国で甚大な水害をもたらします。
雨季だからとこの時期に対象国を訪れるのは気が引けるかもしれません。しかし、雨季だからこそ見られる幻想的な景色を見られることもあります。
ぜひ雨季ならではの景色を堪能してください。
観光で人気のあるヨーロッパ各地では、「雨季」のようにまとまった雨が降る季節が存在しません。
その代わり、年間を通して雨が降ったり、曇天の日が続いたりと、どんよりとした日(overcast)が多いのが特徴です。ヨーロッパを旅行する時は、しっかりと雨対策をしましょう。
ヨーロッパの方では雨具(rain gear)を使う習慣があまりないのをご存じでしょうか?
理由は様々で、若い人であれば「ダサい」と感じたり、「持つのが邪魔」と思う人も多くいます。
たまに雨が降っても長く続かず、しばらく待てば雨は弱まるかやむことがほとんどです。そのため、雨具を使わず屋内にとどまってやり過ごすことが多いです。
雨具を使う習慣がないことから、出先では傘立てがないなんてことも多くありますので、旅行の際に雨具を持ち運ぶ時は注意が必要です。
北米では、広大な国土から地域によって天候に差があります。
ニューヨークなどの東海岸ではヨーロッパ同様「雨季」がなく、1年を通して雨が降ります。
観光でも人気な西海岸に位置するロサンゼルスでは1年を通して温かく、そもそも雨が少ないためカラッとした過ごしやすい気候です。
北東部に位置するシカゴでは夏に湿気が多く、雷を伴う嵐(thunderstorm)が多く発生し、秋口には他の月に比べて雨が多くなる傾向があります。しかし、年間の降雨量を通してみると均一な傾向にあるため、「雨季」とはなりません。
世界の雨はいかがでしたか?
ちなみにですが、日本では降る時期や降り方によって雨の呼び名が変わりますよね。
晩春に降る「春雨」、梅雨の別名で5月に降る「五月雨」、夏の暑い日の夕方に降る「夕立」や雷を伴う「神立」、秋に降る冷たい「秋雨」や「霧雨」、晩秋から冬にかけての「時雨」や「寒の雨」など、一説によるとその数は400語以上と言われているそうです。
四季折々の風情を大切にする日本ならではの表現は、英訳することも難しく、日本古来の情緒を感じます。そう思えば梅雨の雨も少しは楽しめるのではないでしょうか。
もう少し梅雨の時期を楽しんで、夏本番に備えましょう!