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ノーコード・ローコードツールとは?
導入するメリット・デメリットや選定ポイントを紹介

By Global IT GPOD

企業のDX推進に携わっているご担当者様は、自社の基幹システムの改修や、アプリケーション開発をもっと効率的に進めたいと考えることがあるのではないでしょうか。

近年、多くの国内企業から注目されているノーコード・ローコードツールは、システム・アプリケーションを開発する際のソースコードの記述を簡略化し、開発期間の短縮やコスト削減を実現するソリューションです。

この記事では、ノーコード・ローコードツールが企業に求められている背景や、導入するメリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。

目次

ノーコード・ローコードツールとは

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ノーコード・ローコードとは、システム・アプリケーションの開発を行う際に、ソースコードの記述を省略化・簡略化する開発手法のことです。

ノーコードツールの特徴
ノーコードツールとは、システム・アプリケーションを開発する際、ソースコードの記述が全く必要のないツールのことです。

予め用意されているテンプレートや各種機能を使用し、小規模な機能や単一機能を備えたシステム・アプリケーションを簡単に開発できます。

ノーコードツールを使った開発には、プログラミングに関する専門知識やスキルが必要ないため、IT部門以外でも手軽に導入することができます。

ローコードツールの特徴
ローコードツールは、自社でゼロからプログラミングを行うフルスクラッチ開発と比べて、圧倒的に少ない量のソースコードの記述で開発を実現するツールです。

拡張性に優れたアーキテクチャや、柔軟性の高いオープンAPIを使用できるため、ノーコードツールよりも機能の拡張性に優れています。

オンプレミス環境・クラウド環境の両方への対応や、外部システムと統合ができる側面もあり、部門を跨ぐような広範囲のアプリケーションの開発に適したソリューションです。

ノーコード・ローコードツールが注目されている背景

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企業がDXを推進するにあたり、古い技術と仕様によって構成されたレガシーシステムの刷新は大きな課題とされています。

システム・アプリケーション開発を迅速化するノーコード・ローコードツールは、複雑なレガシーシステムの改修を効率的に実行できるソリューションであり、DX化を加速させるとして注目を浴びています。

「2025年の崖」の回避にもつながるソリューションとしての期待も高く、実際に多くの国内企業がノーコード・ローコードツールを導入しているのが現状です。

2025年の崖とは、経済産業省の研究会が2018年にまとめた「DXレポート」で用いられた、将来的な経済損失に対する表現です。

国内企業がDXを推進できなかった場合、2025年に最大で年間12兆円もの経済損失が生じると警笛が鳴らされています。

損失が生じる主な原因は、企業がレガシーシステムを使用し続けることによるシステムトラブルだと言われており、老朽化・肥大化したITシステムの改修が急務であることを意味しています。

ノーコード・ローコードの代表的な開発プラットフォーム

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ノーコード・ローコードによるシステム・アプリケーション開発の需要増加に伴い、ツールを利用できる開発プラットフォームも増えています。

ここからは、企業向けの代表的な3つの開発プラットフォームの特徴を解説します。

Microsoft Power Apps
マイクロソフト社が提供する「Microsoft Power Apps」は、Excelのような関数入力とPowerPointのような直観的な操作で、ビジネス用のアプリケーションを開発できるノーコードツールです。

事前に構築されたテンプレートを使用することで、専門知識やスキルがなくとも、業務要件に合わせたアプリケーションをノンプログラミングで作成できます。

マイクロソフト社の他サービスである「Microsoft 365」や「SharePoint Online」とも柔軟に連携でき、完成したアプリケーションはスマートフォンで操作できる利便性の高いソリューションです。

ASTERIA Warp
日立ソリューションズが提供する「ASTERIA Warp」は、異なる複数のシステム・プロトコル間の連携やデータ統合を実現するシステムをノーコードで開発できるEAIツールです。

アイコンのドラッグ&ドロップやプロパティの設定で、初めて触れる初心者の手にも馴染みやすい作成フローが特徴的です。

基幹システムをはじめ、業務効率化システムやクラウドサービスなどと連携しやすく、あらゆるビッグデータの統合・管理に対応できるソリューションです。

kintone
サイボウズ株式会社が提供する「kintone」は、企業のさまざまなデータを一元管理できるアプリケーションを開発可能なノーコードツールです。

顧客案件管理や受発注管理、日報などのあらゆる項目のデータ管理に対応しており、散財する既存のExcelデータや煩雑なメールなどをひとつのアプリケーションでまとめて管理できます。

API連携により、基幹システムや外部サービスとのデータ統合や機能の拡張も可能となっており、導入する部署を問わず業務効率化を手軽に図れるツールです。

ノーコード・ローコードツールを導入するメリット

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ノーコード・ローコードツールは、ビジネス向けのシステム・アプリケーションを手軽かつ迅速に開発できる他にも、魅力的なメリットがあります。

企業のDX推進に向けて、ノーコード・ローコードツールを導入するメリットをご紹介します。

プログラミングに関する専門知識が不要
ノーコード・ローコードツールの操作はとてもシンプルなため、ITリテラシーの低い部署に導入してもスムーズに運用できます。

特にノーコードツールであれば、テンプレートや各種機能が予め用意されているため、単純な操作で業務効率化を図れます。

ローコードツールも基本的には専門知識なしでも扱えますが、自社のIT人材を活用することで、API連携と機能の拡張性をよりスムーズに実行可能です。

開発フェーズを短縮できる
プログラミングにかける手間と時間を省けるノーコード・ローコードツールなら、システム・アプリケーションの開発フェーズを大幅に短縮できます。

本来、自社でシステム・アプリケーションを開発する際、ユーザーの要望をまとめて具現化する要件定義から始まり、基本設計・詳細設計を経て、プログラミングを行う開発のフェーズへと移ります。

フルスクラッチ開発の場合、開発フェーズに全体の3割程度の時間を割くのが一般的です。つまり、ノーコード・ローコードツールの導入によって、プロジェクト全体の工期を短縮できることになります。

開発コストを削減できる
開発フェーズの短縮に伴い、開発期間に要する人的リソースやコストの削減が実現します。

システム・アプリケーションの開発を外注して行う場合、作業要員と作業時間を乗算して費用を予算を算出するのが一般的です。

ノーコード・ローコードツールを導入し、自社で開発の内製化をすれば、外注にかける費用を大幅に削減でき、スケジュール感に合わせたリソースの最適化も図りやすくなります。

高品質なプロダクトを開発できる
ノーコード・ローコードによる開発は、人の手によるソースコードの記述を省略、または最小限に抑えられるため、人的ミスを減らせるのも大きなメリットです。

ノーコード・ローコードツールでソースコードの大部分を自動で生成することにより、ミスを低減するだけではなく、高品質なプロダクトを開発することにもつながります。

また、プログラミングのミスの低減は、セキュリティ上のリスクを抑えることにもなるため、脆弱性に対するリスクヘッジとなります。

アジャイル開発と相性が良い
アジャイル開発とは、システム・アプリケーション開発における計画・設計・開発・テストのプロセスを何度も反復しながら、顧客ニーズに最大限応えられるプロダクトを開発する手法のことです。

開発プロセスを何度も繰り返す手法であるため、開発の迅速化を図れるノーコード・ローコードと相性が良いと言われています。

アジャイル開発は、スピードと柔軟性に優れた開発手法であり、昨今におけるIT業界の注目トレンドです。

詳しい仕様や活用方法が気になる方は、関連記事をご覧ください。

▶ アジャイルとDevOpsの違いとは?開発・運用における相違点を解説

ノーコード・ローコードツールのデメリット

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ノーコード・ローコードツールは、開発したいシステム・アプリケーションの内容によってはデメリットも生じます。

以下の2つのデメリットを把握した上で、導入を検討する必要があります。

大規模な開発には向いていない
ノーコードの場合、ツールに搭載された機能のみで開発を行うため、大規模なシステムの開発には適していません。

比較的自由度の高いローコードツールでも、あくまで小規模なシステム・アプリケーションを迅速に開発するためのソリューションという見方になります。

高度な技術を要する最新システムの開発においても、ノーコード・ローコードよりフルスクラッチ開発の方が適しています。

機能・仕様がプラットフォームに依存される
ニッチな職種・業務に最適なシステム・アプリケーションを開発したい場合、市場にあるノーコード・ローコードツールでは対応できない可能性があります。

搭載できる機能・仕様については、開発プラットフォームによって依存するため、プロジェクトを計画する際にノーコード・ローコードツールで事足りるかを検討しましょう。

ノーコード・ローコードツールの選定ポイント

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自社に適したノーコード・ローコードツールを選定する際には、ポイントを参考にしてください。

  • 自社の利用目的・用途に特化している
  • モバイルユーザーに対応している
  • 無料プラン・トライアル期間がある

ノーコード・ローコードツールは開発プラットフォームによって、アプリケーション開発・データベース構築・Webサイト開発・ECサイト開発など、特定の分野における強みが異なります。

自社で「何かを開発したいか」「どのような機能が必要か」を明確にして、目的を達成できるツールを選定しましょう。エンドユーザーのニーズに合わせて、スマートフォンに対応しているかどうかも重要な選定ポイントです。

また、ツールが社内に定着するか心配な場合には、無料プランやトライアル期間があるものを選び、実際の使用感を確かめてみてください。

まとめ

国内企業での導入が進んでいるノーコード・ローコードツールは、プログラミングに関する専門知識やスキルがなくとも、システム・アプリケーションを開発することができます。

老朽化・肥大化したレガシーシステムの改修に適したソリューションでもあり、開発の内製化によって工期の短縮とコスト削減が実現します。

ただし、ノーコード・ローコードツールは小規模かつ簡易的なシステム・アプリケーションの開発用として提供されていることが多く、最新技術を駆使した高度な開発をすることはできません。

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