日本と世界の「○○世代」に見る世代比較ガイド

By Global Staffing
公開日:2025.05.28

日本と世界の「○○世代」に見る
世代比較ガイド

By Global Staffing
公開日:2025.05.28

転職活動やキャリア形成を考えるうえで、「世代の違い」が実は大きなヒントになることをご存じですか?

日本には「ゆとり世代」「さとり世代」など、独自の世代の呼び方があります。一方で、英語圏では「ミレニアル世代(Millennials)」「Z世代(Gen Z)」といった呼び名が一般的です。

本記事では、日本と海外の世代名称やその背景を解説しながら、各世代が持つ就職・転職観の違いにも焦点を当てます。自分の世代の強みを理解し、世代間ギャップとうまく付き合いながら、より良いキャリア選択に役立ててください。

目次

世代名称は世界共通?

結論から言えば、「世代に名前をつけて語る文化」は世界中に共通して見られます。しかし、呼び名や分類方法、重視する背景は国ごとに異なるのが実情です。

共通して見られる例:

  • ベビーブーム世代(Baby Boomers)
  • ジェネレーションX(Gen X)
  • ミレニアル世代(Millennials)
  • Z世代(Gen Z)
  • アルファ世代(Generation Alpha)

これらはアメリカ発祥ながら、世界中で共通語のように使われています。

日本独自の世代名称と背景

日本では生まれた年によって独特な世代名称を使っています。

  • 団塊の世代(1947~1949年生まれ):
    戦後のベビーブームで生まれた世代。大量消費時代を牽引した時代
  • バブル世代(1965~1970年頃生まれ):
    バブル景気に就職、企業が「青田買い」していた時代
  • 就職氷河期世代(1970年代後半〜1980年代前半生まれ):
    バブル崩壊後の厳しい就職市場に直面した就職難時代
  • ポスト氷河期世代(1983〜1986年頃生まれ):
    経済的に不安定で、教育制度改革前後の移行期でもあり先行き不透明さに悩んだ世代
  • ゆとり世代(1987〜1996年生まれ):
    学習指導要領が「ゆとり教育」に切り替わった世代
  • さとり世代(1990年代後半〜2000年代生まれ):
    物欲や競争意識が低く、現実的かつ内向き傾向
  • ミレニアル世代(1981〜1996年):
    上記のゆとり・さとり世代と重複。デジタルネイティブの第一世代
  • Z世代(1997年以降生まれ):
    生まれながらにスマホ・SNS環境にある世代

このような日本独自の世代名は以下のような観点から名付けられる傾向があります。

  • 教育制度や政策の影響
  • 社会的・経済的な出来事
  • 行動様式や価値観の変化
  • メディア・マーケティング主導の呼称

世代名の多くはマスメディアや広告業界、評論家などが提唱し、一般化したものです。明確な定義が存在しないケースも多く、曖昧な境界線で呼ばれることもあります。

このように、日本の世代名称はその時代の象徴的な現象や社会風潮を反映しており、呼称そのものが時代背景を物語る社会的ラベルとなっています。

アメリカを中心とした海外の世代分類 

アメリカを中心とした英語圏の国では「世代ごとに異なる社会的経験や価値観がある」という考え方がビジネスやマーケティングに深く根付いています。以下は主要な世代分類です。

  • Baby Boomers(1946〜1964):
    第二次世界大戦後の経済成長とともに育った世代。キャリアに対して忠誠心が高く、長期雇用を重視する傾向がある。
  • Gen X(1965〜1980):
    不況や冷戦を経験し、自己責任と独立志向が強い。企業への依存を避ける傾向がある。
  • Millennials(1981〜1996):
    インターネットの登場と共に成長。柔軟な働き方、働きがい、企業の社会的責任などを重視することが多い。
  • Gen Z(1997〜2012):
    SNSネイティブで、多様性と瞬発力が鍵。副業や起業にも積極的なことが多い。
  • Gen Alpha(2013〜):
    テクノロジーに囲まれて育つ初の完全デジタル世代。AIリテラシーが高く、社会課題への感度も高いと予想されている。

アメリカの企業文化では「世代別のインサイト」が採用・人事・商品企画など多くの分野で活用され、世代ごとのキャリア意識を読み解くことが競争優位に繋がると考えられています。

ヨーロッパの世代観

ヨーロッパ諸国の世代観は、アメリカ由来の世代名称が広く使われる一方で、EU統合の進展や移民問題、社会福祉制度の発達など独自の歴史的・社会的背景が世代意識に大きな影響を与えています。

多文化共生と移民問題:EU域内での自由移動や難民・移民問題が若者の価値観形成に影響。多様な文化背景を持つ人々と共生する意識が高まり、多様性(ダイバーシティ)や包摂(インクルージョン)を重視する傾向が強い。

社会福祉と働き方の価値観:長年の社会保障制度の発達により、若者の労働観は安定志向が強い一方で、ワークライフバランスの重要性や労働時間の短縮、労働者の権利保護への関心も高い。

環境・気候変動への意識:「グレタ世代(Greta Generation)」と呼ばれる環境活動に熱心な若者が台頭。気候変動対策や持続可能な社会づくりへの意識が世代を超えて広がっている。

東欧諸国の独自世代観:冷戦終結後に生まれた「ポスト共産主義世代」は、資本主義への移行やEU統合の影響を受けながら、経済的不安やアイデンティティの模索を続けている。

政治参加と社会運動:若者の政治意識は高まりつつあり、EUの将来やグローバルな課題に対して積極的に意見を発信する動きも活発。フェミニズムやLGBTQ+の権利擁護、反差別運動など、社会運動への関与も顕著。

ヨーロッパの世代は、多様な価値観と社会的課題を抱えながらも、社会参加と持続可能な未来志向が強いのが特徴です。

日本の世代ごとの「就職・転職観」の違い

各世代は生きた時代背景により、就職・転職に対する価値観や行動様式が異なります。また、就職・転職時に直面する壁(ハードル)も世代ごとに異なります。
世代       就職観          転職観 ハードル
団塊ジュニア
  • 競争が激しく安定志向
  • 大企業志向が強い
  • できれば避けたいという考えが根強い
    団塊世代の影響で定員枠が狭く、機会に恵まれなかったことが長期にわたるキャリア形成に影響
    就職氷河期世代
  • 新卒での就職が困難だった
  • 「就職できなかった経験」が根強い
  • 再挑戦よりも現状維持の志向が強め
    非正規雇用歴が長く、現代においては年齢的に正社員登用や再就職が困難
    ポスト氷河期世代
  • 運良く就職できても経済的に不安定
  • 先行き不透明さに不安を抱える
  • ある程度の柔軟さはあるが、まだリスク回避傾向
    経済・雇用状況が不安定な時期のため、実績が積みにくく、キャリアに影響することもしばしば
    ゆとり世代
  • 「自分らしさ」や職場の雰囲気を重視
  • キャリアアップやライフワークバランス向上のため転職に前向き
    教育制度を理由に、採用側から「協調性不足」など偏見を受けやすく、キャリア形成に影響がでることもしばしば
    さとり世代
  • 無理せず働きたい世代
  • 定時退社・在宅勤務重視
  • より良い条件があれば積極的、ストレス回避志向にある
    自己主張や交渉を避けがちな点が、評価や昇進に影響することも
    日本のミレニアル世代
  • 安定と自己実現のバランスを重視
  • 企業理念や社会貢献にも関心
  • 転職=スキルアップという認識が強い
    選択肢が多すぎて迷いやすく、「やりたいこと探し」が長期化する傾向
    日本のZ世代
  • 社風や働きやすさを重視
  • 社会課題への姿勢など「共感」軸で企業を選ぶ
  • SNSやネットワークを活用し、情報収集に長け、転職も前向き
    若手ゆえの経験不足が、即戦力を求める現場とミスマッチを生む可能性がある

    団塊ジュニア
    就職観:競争が激しく安定志向。大企業志向が強い。
    転職観:できれば避けたいという考えが根強い。
    ハードル:団塊世代の影響で定員枠が狭く、機会に恵まれなかったことが長期にわたるキャリア形成に影響。

    就職氷河期世代
    就職観:新卒での就職が困難で「就職できなかった経験」が根強い。
    転職観:再挑戦よりも現状維持の志向が強め。
    ハードル:非正規雇用歴が長く、年齢的に正社員登用や再就職が困難。

    ポスト氷河期世代
    就職観:運良く就職できたが、先行き不透明さに不安を抱える。
    転職観:ある程度の柔軟さはあるが、まだリスク回避傾向。
    ハードル:経済・雇用状況が不安定な時期のため、実績が積みにくい。

    ゆとり世代
    就職観:「自分らしさ」や職場の雰囲気を重視。
    転職観:キャリアアップやライフワークバランス向上のため転職に前向き。
    ハードル:採用側から「協調性不足」など偏見を受けやすい場面も。

    さとり世代
    就職観:無理せず働きたい、定時退社・在宅勤務重視。
    転職観:より良い条件があれば積極的。ストレス回避志向。
    ハードル:自己主張や交渉を避けがちな点が、評価や昇進に影響することも。

    日本のミレニアル世代
    就職観:安定と自己実現のバランスを重視。企業理念や社会貢献にも関心。
    転職観:転職=スキルアップという認識が強い。
    ハードル:選択肢が多すぎて迷いやすく、「やりたいこと探し」が長期化する傾向。

    日本のZ世代
    就職観:社風や働きやすさ、社会課題への姿勢など「共感」軸で企業を選ぶ。
    転職観:SNSやネットワークを活用し、転職も前向き。
    ハードル:若手ゆえの経験不足が、即戦力を求める現場とミスマッチを生む可能性。

    さいごに

    いかがでしたか?ご自身の世代の価値観とあっていましたか?
    世代の違いを理解することは、就職・転職活動において「相手の目線」や「自分の強みと課題」を整理する助けになります。

    日本独自の世代名称は、経済や教育制度の変化を反映した興味深い文化的特徴でもありますが、ミレニアル世代やZ世代のように、国境を超えて共通する価値観も存在しています。

    企業にとっては、どの世代が何を重視するのかを把握することで、効果的な採用戦略や組織マネジメントのヒントに。求職者にとっても、自分の志向や価値観を言語化し、相手企業に「自分らしさ」を伝える武器になります。

    もちろん、一概に世代を一括りにし、先入観のみで企業や求職者をまとめることは誤解や勘違いのリスクがあります。先入観(ステレオタイプ)が与える影響や防ぎ方については以下の記事にて解説しています。

    ▶ ステレオタイプとは?
    意味と影響、なくすためにできることを解説

    就職・転職は、単なるスキルや経験のやり取りではなく、価値観と価値観のマッチングです。自分の世代を知り、他世代の視点を理解することで、よりよい就職活動、転職活動、そしてキャリア選択と働き方に繋げていきましょう。

    弊社ではグローバルに活躍したい人材、語学スキルや海外でのビジネス経験等を活かして活躍したい人材の就職・転職の支援をしています。

    また、上記のようなグローバルスキルや経験はなくとも、IT業界での経験がある方、これからITの分野で活躍したい人の支援もしておりますので、いずれかが当てはまる方、今後のキャリアに悩んでいる方、まずはお話を聞きたい方は、以下からお気軽にご相談ください。

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。

    サービス

    企業情報

    採用情報

    連絡

    GDIコミュニケーションズ

    Tel: 052 212 8207 | Fax: 052 212 8208
    名古屋市中区栄2丁目2-17 名古屋情報センタービル6F
    労働者派遣許可番号:派23-303517 / 有料職業紹介許可番号:23-ユ-301968

    | © 2024 GDI Communications Inc. | All rights reserved |
    GDIコミュニケーションズ

    Tel: 052 212 8207 | Fax: 052 212 8208
    名古屋市中区栄2丁目2-17 名古屋情報センタービル6F
    労働者派遣許可番号:派23-303517 / 有料職業紹介許可番号:23-ユ-301968

    | © 2024 GDI Communications Inc. | All rights reserved |