「英語を使って働きたい」「学んできた英語をキャリアに活かしたい」、そんな思いを持つ人は多いのではないでしょうか。英語を使う仕事は、国際的なやり取りの場で活躍できるだけではありません。現代の日本市場においては、英語力は「最強の武器」となり得るのです。
今日、日本企業の多くは海外展開を加速させていますが、その一方で約70%の企業が「深刻なグローバル人材不足」に直面しています。企業の海外展開が加速する一方で、それを支える人材が追いついていないのです。このギャップこそ、英語力を持つ人にとって大きなチャンスです。英語力は、個人の強みであると同時に、日本経済が求める「価値」そのものだからです。
本記事では、語学系の学部に所属する学生や留学経験者、さらにはキャリアアップを目指して転職を検討している社会人に向けて、英語を活かせる具体的な職種と必要なスキルを解説します。将来のキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。
英語を使った事務系の仕事は、主に英文メールのやり取り、契約書や請求書の作成、輸出入関連の書類対応など、正確さと語学力が同時に求められる分野です。
日常的に英語を使うため、基礎的なビジネス英語を実務を通じて磨けるのが魅力です。几帳面で細かい作業が得意な人、縁の下の力持ちとしてチームを支えることにやりがいを感じる人に向いています。事務職として経験を積んだ後、海外営業やマネジメントなど幅広いキャリアパスに進むことも可能です。具体的な職種は以下の通りです。
貿易事務
貿易事務は、輸出入に関わる企業で必要不可欠な職種です。契約書やインボイスなどの英文書類を作成・確認し、海外の取引先とメールや電話で連絡を取ります。契約書や通関書類を扱うため、読解・記述(Reading/Writing)能力の正確性が最重要です。
語学力に加え、国際物流や通関に関する基礎知識があれば業務をより円滑に進められます。英語力を活かしながら、事務処理能力を磨きたい人にとって魅力的な職種です。
海外営業アシスタント
海外営業の現場をサポートするポジションで、顧客からの注文処理や資料作成、見積書の作成などが主な業務です。商談そのものを担当するわけではありませんが、営業担当と海外顧客をつなぐ架け橋として欠かせない存在です。書類作成の記述能力と、各所との調整業務を円滑に進めるための4技能のバランスが重要です。
語学力を活かしながら、国際ビジネスの流れを身近に学べる点が大きな魅力です。未経験からでもスタートしやすく、キャリアを積むことで海外営業担当へステップアップする道もあります。
外資系企業の一般事務
外資系企業では、社内システムやマニュアルが英語で記載されている場合が多く、事務職であっても英語を読む・書く機会が発生します。海外拠点とのやり取りも日常業務の一部であり、特にグローバル企業では「日本支社から本社に報告する」「会議の議事録を英語でまとめる」といったシーンもあります。事務処理の正確性やスピードを保ちながら、グローバルな環境で働ける点が魅力です。
ホテルスタッフ、空港グランドスタッフ、ツアーコンダクターなど、サービス・接客系の仕事は、外国人観光客や海外からの利用者に直接対応する機会が多いのが特徴です。
チェックインや案内、緊急時のサポートなど、相手の要望を正確に理解し、安心感を与えるために英語力が欠かせません。語学力だけでなく、相手の文化や価値観に配慮できる柔軟性や、笑顔で人と接するホスピタリティ精神が求められます。
人と関わることに喜びを感じる人や、グローバルな舞台で接客スキルを活かしたい人に向いている分野です。経験を重ねることでマネジメントや教育の立場に進む道も開けます。
ホテルスタッフ(フロント)
ホテルのフロント業務は、チェックイン・チェックアウトの手続き、観光案内、トラブル対応など、宿泊客と直接コミュニケーションを取る仕事です。特に都市部や観光地では外国人客が多く、日常的に英語で接客を行います。予期せぬ事態にも対応できる、実践的な対話・聴解(Speaking/Listening)能力が最も重要です。
接客業としてのホスピタリティと、迅速な対応力が重要であり、英語を使って人と直接関わりたい人におすすめの仕事です。
航空業界(グランドスタッフ/客室乗務員)
空港や機内で乗客と接する航空業界の仕事は、英語を使った接客の代表例です。グランドスタッフは搭乗手続きやゲート案内、客室乗務員は機内サービスや安全説明を担当します。海外からの利用客が多いため、スムーズで分かりやすい英語での対応が求められます。どちらの職種でも、顧客の課題を正確に理解する聴解能力と、解決策を明確に伝える対話・記述能力のバランスが重要です。また、語学力だけでなく、強い責任感やホスピタリティ精神も必要です。
カスタマーサポート(英語対応)
外資系企業やITサービス企業などで、海外顧客からの問い合わせに対応する仕事です。メール、チャット、電話などを通じて問題解決を行います。顧客の問題を正確に聞き取る高度な聴解能力と、解決策を論理的かつ明確に伝える対話・記述能力が求められるため、4技能のバランスが重要です。
ただし、マニュアルが整備されていることも多いため、一定の英語力があれば未経験から挑戦できる職種です。
ツアーガイド/通訳案内士
訪日外国人観光客に観光地や文化を紹介する仕事です。この職種は、流暢さだけでなく、日本の文化や歴史に関する深い知識を魅力的に伝えるプレゼンテーション能力やストーリーテリング能力を含む、専門家レベルの対話・聴解(Speaking/Listening)能力が求められます。英語での説明力に加え、相手の興味に応じて柔軟に話を広げる力も重要です。
ITエンジニア、医薬・製薬のリサーチ職、特許や技術翻訳者など、専門知識と英語力を組み合わせて働く職種です。海外チームとのやり取りや論文・技術文書の読解、専門的な翻訳など、日常的に英語を実務に活かす機会が豊富です。高度な専門性が求められる分、キャリアの安定性や将来性が高いのも特徴です。
論理的思考や分析力、正確な作業が得意な人、専門スキルを英語と組み合わせてグローバルに活躍したい人に向いています。経験を積むことで、高度なプロジェクトへの参画やコンサルティングへのキャリアアップも可能です。
ITエンジニア(外資/グローバル案件)
IT業界では、システム仕様書やプログラム関連のドキュメントが英語で記載されていることが多く、海外チームと協力して開発を進める場面も増えています。会議での英語使用や、技術的な質問を英語でやり取りするケースも日常的です。語学力を活かしながら、専門的な技術スキルを発揮できる職種として人気があります。
重要なのは、現代のIT業界において、英語は単なるコミュニケーションツールではなく、中核的な技術スキルの一部になっているという点です。業務に必要な情報の多くは英語で提供されているため、英語ができないエンジニアは、どうしても情報へのアクセスに制約や不利な状況が生じてしまいます。
医薬・製薬業界リサーチ職
医薬・製薬分野では、海外の論文や学会資料を活用する機会が多く、英語で最新情報を収集する力が不可欠です。海外の学術論文や治験関連文書を読み解くための高度な読解(Reading)能力が必須です。加えて、国際学会での発表や海外研究者との共同研究など、キャリアアップの段階では4技能のバランスが求められます。専門知識と英語力を兼ね備えることで、グローバルに活躍できるポジションを目指せます。
特許翻訳者/技術翻訳者
特許や技術文書を翻訳する仕事は、専門用語や表現の正確さが求められるため、高度な英語力が必要です。特に特許や医療、金融といった専門分野では、原文の意図を寸分違わず訳出する能力が求められるため、TOEIC 900点以上、場合によっては満点に近いレベルが期待されます。
一方で、翻訳業務をサポートする特許事務(外国事務)のような関連職種であれば、TOEIC 750点以上からエントリー可能です。経験を積めばフリーランスとして独立も可能です。
海外営業、外資系コンサルタント、会議通訳など、国際ビジネスの最前線を担う職種は、英語を使って交渉や提案、意思決定の場で活躍するハイレベルな仕事です。海外クライアントとの商談、国際プロジェクトの推進、会議やプレゼンでの報告など、語学力に加え、交渉力や分析力、プレゼン力が求められます。
高度な英語力を持ち、ビジネスで結果を出す意欲がある人に向いています。経験を積むことで、国際営業リーダーやコンサルタントの上級職、専門分野でのフリーランス通訳など、多彩なキャリアパスを目指せる分野です。
海外営業(フロント担当)
海外企業との商談や交渉を担当するポジションです。単に英語を使うだけでなく、ビジネスの場で相手を説得し、契約を成立させる力が求められます。語学力とビジネススキルを兼ね備えることで、高収入を狙えるキャリアパスです。出張や海外駐在のチャンスもあり、グローバルに活躍したい人に最適な職種です。
高度な4技能バランスが必須ですが、特に相手を説得し、信頼関係を築くための対話(Speaking)能力が成否を分けます。そのため海外営業職の成功は、TOEIC L&Rのスコアだけでは測れません。高いスコアはあくまでスタートラインであり、異文化理解力や実践的な交渉術こそが真の競争力となります。候補者は、面接などの場でこれらの実践的スキルを証明する必要があります。
コンサルタント(外資/グローバル案件)
外資系コンサルティング会社では、クライアントの課題解決に向けて、国際的なプロジェクトに参加することが多く、プレゼンや報告書の作成に英語が不可欠です。論理的思考力と分析能力を英語で表現する必要があるため、高度な4技能バランスが求められます。特に、複雑な内容を簡潔かつ説得力をもって伝える記述・対話能力が重要です。世界中のクライアントと仕事ができるため、グローバルなキャリアを築きたい人に人気の職種です。
通訳(同時通訳/会議通訳)
通訳は、国際会議や商談、メディア取材などで、話者の発言を即座に別の言語に変換する仕事です。高度な集中力と語学力が必要で、CEFR C1レベルのスキルが求められます。特に同時通訳は難易度が高く、専門分野に応じた事前準備も欠かせません。また、言語能力に加え、高度な集中力、記憶力、情報処理能力といった特殊な認知スキルが不可欠です。その分、プロフェッショナルとして高い評価と収入を得られる職種でもあります。
いかがでしたか?興味のある仕事はありましたか?
英語を活かせる仕事は、事務での英文対応、接客での会話、専門性を活かした研究や翻訳、国際ビジネスの交渉まで幅広く存在します。さらに近年では、ITや製造業など一見英語と関係が薄い分野でも、海外拠点との連携や国際プロジェクトへの参加を通じて英語力が不可欠となっています。
背景にあるのは、日本が直面する「深刻なグローバル人材不足」です。企業は海外展開を進めながらも、それを担う人材が不足しており、英語を使える人材の価値は急速に高まっています。
就職や転職を考える際は、
を整理することが重要です。企業が求めているのは「英語ができる人」ではなく「英語を使って成果を出せる人」です。目標とする職種を定め、そこで求められるスキルを見極め、計画的に能力を高めていくことで、単に「仕事を見つける」のではなく、「国内外で通用する強固なキャリアを築く」ことができます。
今はまだ不安があっても、経験を重ねることで英語力は確実にキャリアの強みに変わります。英語の仕事に興味がある、語学系の学生、留学経験を活かしたい人、転職を考えている社会人など、それぞれが自分の強みと英語力を理解することで、国内外で活躍できる未来を切り拓けます。英語を武器に、次のステージへ踏み出しましょう。
Tel: 052 212 8207 | Fax: 052 212 8208
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