なぜ、海外拠点で「欲しい人材」が見つからないのか?
現地の“採用の壁”を突破する3つのカギ

By Global Staffing GPOD
公開日:2025.10.30

なぜ、海外拠点で「欲しい人材」が
見つからないのか?
現地の“採用の壁”を突破する3つのカギ

By Global Staffing GPOD
公開日:2025.10.30

海外拠点を運営されている日系企業の担当者様とお話をする際、「現地で良い人材が、見つからない」というお悩みをよく伺います。

  • 「日本人駐在員だけでは限界があり、現地化を進めたいが、そもそも良い人材が採用できない」
  • 「現地の採用エージェントに依頼しても、求めるレベル感やスキルを持った人材がなかなか紹介されない」
  • 「募集をかけても、欲しい層の候補者が集まらない。どう探せばいいか分からない」
  • 「やっと採用できてもミスマッチで、またゼロから採用活動をやり直すことになってしまった…」

上記のお話は一社二社ではなく、多くの企業様から相談される共通のお悩みです。

実際、ジェトロ(日本貿易振興機構)が発表した「2024年度 海外進出日系企業実態調査(欧州編)」によると、在欧日系企業の経営上の問題点として「人材の確保」(65.5%)が最大の課題となっています。 (出典:ジェトロ「在欧日系企業の課題で人材確保が首位、コスト関連が上位に」(2024年12月))

今や「現地で良い人材が見つからない」ことは、海外拠点の成長を阻害する共通の経営課題となっています。この記事では、多くの日系企業がなぜ「欲しい人材」に出会えないのか、その理由を解き明かし、現地の“採用の壁”を突破するためのヒントを探ります。

目次

なぜ今、「現地人材」の採用が重要なのか?

「人材が見つからない」状況でも、なぜ現地採用が重要なのでしょうか。それは駐在員体制の限界(高コスト・ノウハウ非蓄積)が来ているためです。 このセクションでは、駐在員派遣の課題を整理し、コスト最適化や市場理解など、現地人材採用がもたらす4つの戦略的メリットを解説します。 (参考:早稲田大学 社会科学総合学術院「日系多国籍企業における人材の現地化要因に関する実証研究」

▼ 駐在員派遣の主な課題

  • 高額なコスト:海外赴任手当、ハードシップ手当、家賃、家族のサポート(教育費など)、税務処理などを含めると、日本人駐在員1人あたりのコストは、現地採用人材の3倍~5倍以上になると一般的に言われています。
  • ノウハウの非蓄積:3〜5年でのローテーションが前提となり、現地で築いた人脈や知見が、担当者の帰任と共に失われがちです。
  • 現地化の遅れ:学術的な研究においても、日系企業は「本社から派遣される駐在員に依存した人材配置」の傾向が強いと指摘されています。


▼ 現地人材採用の戦略的メリット

これらの課題を解決し、海外事業を持続的に成長させるために「現地人材の採用」が不可欠です。

  • コストの最適化:駐在員派遣にかかる高額な諸経費(赴任手当、家賃、帯同家族のサポート費用など)を大幅に削減できます。その分のコストを、現地のマーケティングや人材育成に再投資することが可能になります。
  • 真の市場理解(ローカライズ):言語能力だけでなく、現地の商習慣、法規制、顧客ニーズ、そして競合の動向を肌感覚で理解している人材が事業を推進できます。「日本人にはない視点」が、現地市場に即した戦略立案を可能にします。
  • サステナビリティ(持続性):駐在員のように数年での帰任が前提ではないため、長期雇用を通じて社内にノウハウや現地の人脈が「資産」として蓄積されます。これにより、担当者が変わる度に戦略がリセットされる事態を防ぎます。
  • 組織の活性化:現地スタッフがマネジメント層や重要なポジションに登用されることで、他の現地社員にとって具体的なキャリアパスが示されます。これにより、「この会社で長く働こう」というモチベーション向上に繋がります。

「こんなはずでは…」なぜ欲しい人材が見つからないのか?“3つの壁”

現地採用の重要性は分かっていても、現実には「見つからない」。その背景には、日系企業が直面しがちな構造的な「3つの壁」が存在します。 このセクションでは、「なぜ見つからないのか」という課題を深掘りし、その最大の原因である【採用の壁】(チャネルやエージェントの限界)と、それが引き起こす【ミスマッチの壁】などについて詳しく解説します。

壁①:【採用の壁】そもそも、欲しい人材に「出会うチャネル」がない
これがほとんどの企業で起きている「見つからない」最大の理由です。

  • 優秀層は奪い合い:
    ジェトロの調査でも明らかなように、世界中で「人材の奪い合い」が起きており、特にアジア諸国では「マネージャーや専門職種」の不足が深刻です。優秀な人材は、転職市場に出てくる前に欧米企業や現地有力企業に引き抜かれます。
  • 既存エージェントの限界:
    多くの現地採用エージェントは、日系企業が求める「高い専門スキル」と「日系企業文化へのフィット感」という、微妙なニーズを正確に理解していません。結果、的外れな紹介が続いたり、「該当者なし」と回答されたりします。
  • ネットワークのミスマッチ:
    そもそも、貴社や契約エージェントが持つネットワークが、本当に欲しい優秀な人材層(ハイキャリア層や特定の専門職)に届いていない可能性があります。

壁②:【定着・活用の壁】焦った採用による「ミスマッチ」の悪循環
「見つからない」からと焦って採用基準を妥協した結果、スキルやカルチャーのミスマッチが起こるケースです。 結局、採用した人材がすぐに辞めてしまい、「またゼロから人材を探さなければならない」という負のスパイラルに陥ります。これは「見つからない」問題が引き起こす二次災害とも言えます。

壁③:【労務・法務の壁】現地のルールが複雑すぎる
「日本では当たり前」の雇用契約や就業規則が、現地では通用しない、あるいは法規制に抵触してしまうことがあります。これらの整備が曖昧なまま採用を進めると、後々トラブルになり、採用活動自体がストップしてしまうリスクもあります。

現地採用の「3つの壁」を突破する3つのカギ

それでは「欲しい人材が見つからない」という深刻な壁をどう乗り越えればよいのでしょうか。重要なのは、従来のアプローチ、特に「探し方」を見直すことです。 このセクションでは、前章で提示した3つの壁を突破するための具体的な解決策(=カギ)として、独自の「チャネル」と「目利き」の重要性、そして「定着」までを見据えた採用活動について解説します。

カギ①:採用の「チャネル」と「目利き」を変える
【採用の壁】を越えるには、これまでとは異なるアプローチが必要です。

  • 独自のグローバルネットワークを持つパートナーを探す:
    一般的な現地エージェントがアクセスできない、独自の「人材プール(グローバルネットワーク)」を持つパートナーを見つけることが重要です。他社では出会えない層にリーチできるチャネルこそが、「見つからない」状況を打破する最大のカギとなります。
  • 「真の見極め」ができる目利き役を立てる:
    日系企業のニーズと現地のビジネス文化、その両方を理解する「目利き役」が不可欠です。例えば、英語を中心とした現地の言語に堪能であることはもちろん、自身もグローバルビジネスの経験が豊富であったり、ネイティブの視点、グローバルマインドを持っているリクルーターによる専門的な評価(アセスメント)が、ミスマッチを防ぎます。

カギ②:「定着」までを見据えた採用を行う
【定着・活用の壁】を避けるため、「見つからない」からと採用基準を妥協してはいけません。 採用をゴールではなくスタートと捉え、「この人材は入社後に定着・活躍できるか」という視点を持って採用活動を行うことが、結果的に「探し続けるコスト」を削減します。

カギ③:「採用」と「労務・法務」をセットで考える
【労務・法務の壁】をクリアするため、採用活動と同時に、現地の法規制に準拠した雇用契約や就業規則を整備する必要があります。信頼できる専門家と連携し、採用活動の「土台」を固めましょう。

【成功事例紹介】いかにして「見つからない」状況を打破したか

机上の空論ではなく、実際に「人材が見つからない」という状況を打破した企業の事例をご紹介します。メキシコ拠点で採用に難航していた製造業A社は、現地の複数のエージェントに依頼しても、求める人材に出会えない日々が続いていました。A社がGDIの「グローバルネットワーク」と弊社の「専門リクルーターの介在」によって、いかにして「見つからない」状況を克服し、優秀な現地マネージャーの採用に成功したか、その具体的なプロセスと解決のポイントを紹介します。

<課題>
A社では、現地スタッフの離職が続いた後、後任となる交代要員(特に管理職候補)が、現地の複数のエージェントに依頼しても全く見つからない状態でした。まさに「探しても出会えない」という壁に直面していました。

<解決のポイント>
A社は、現地の事情と日系企業の双方に精通したGDIを採用パートナーとして選びました。 担当となった、英語に堪能なグローバル経験豊富なリクルーターは、GDI独自のグローバルネットワークを駆使し、他のエージェントではリーチできなかった現地の優秀な人材プールに直接アクセスし、候補者と密にコミュニケーションを取りました。

この時重要視したのは、リクルーターが企業側(日系企業のニーズ)と候補者側(現地でのキャリア観)の「通訳」となり、「なぜA社で働くのか」という動機付けや懸念点の払拭を丁寧に行った点です。 さらに、採用プロセスにおいて、候補者が日本本社の経営陣と会うだけでなく、「実際に現地で一緒に働くことになるローカルチーム」とも面談する機会を設定。現場のチームと候補者の相性(フィット感)が良くなければ、入社後の活躍は難しいためです。GDIはこうした採用プロセスの機微までサポートしました。

<結果>
採用プロセスが格段にスピードアップし、企業側と候補者の双方が希望する条件(役割・待遇・文化)で深く合意でき、これまで出会えなかった優秀な現地マネージャー人材の採用が実現し、組織の安定化につながりました。

まとめ

海外拠点の持続的な成長には、現地人材の採用が不可欠です。しかし、多くの企業が「欲しい人材が見つからない」という深刻な壁に直面しています。

この「見つからない」状況を打破する鍵は、信頼できるパートナーを見つけることです。具体的には、

(1)他社では見つけにくい独自の人材プール(グローバルネットワーク)にリーチでき、
(2)確かな人材を「見極め」、
(3)最適な人材を「採用し」、
(4)採用後も「定着・活躍させる」

というプロセスを一気通貫でサポートできるパートナーです。

GDIは、まさに「グローバル人材(GPOD)」の専門家として、独自のグローバルネットワークを駆使し、「他社では見つけられない人材」と企業様とを繋ぐサポートを行っています。「現地で良い人材がどうしても見つからない」 「今依頼しているエージェントでは限界を感じる」、 そうお考えのご担当者様は、まずは情報収集の一環として、お気軽にご相談ください。

具体的な課題が明確ではなくても、何となく課題を感じる、まだ進めてはいないけれども難しそうに感じる、現地人材を探すための情報が欲しいなど、少し話を聞いてみたい、という簡単な動機でも構いません。まずは壁打ちのつもりで、弊社担当とお話ししてみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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