以前にリモートワークに関する【ITエンジニアはリモート?出社?フリーランスという選択も?】という記事を執筆しました。その記事の中でフリーランスとしての働き方とあわせ、「ハイブリッドワーク」への期待について言及しました。この「ハイブリッド」という働き方について、世界の現状はどうなっているのか、どのような課題があり、対応がされているのか。
今回の記事では、在宅勤務について研究をしているWHF Researchが2023年に発表した調査結果「Working from Home Around the Globe: 2023 Report(2023年版:世界の在宅勤務事)」を元に世界のリモートワーク事情をご紹介いたします。
在宅でのお仕事をお探しの方、現在転職を考えている方はぜひ弊社までご相談ください。WHF Researchが実施したグローバル調査で、2023年の4月から5月にかけて、日本を含む世界34か国で実施された、2023年版の世界の在宅勤務に関する報告書です。
▶ Working from Home Around the Globe: 2023 Report(PDF)
高校卒業以上の学歴を有する20歳から64歳までのフルタイム労働者を対象に実施され、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカでは2,500名以上、その他の国でも1,000名以上の4万を超えるデータを分析した報告書です。
(調査対象については、リンク元11頁参照)
世界中を震撼させた新型コロナ感染症をきっかけに、世界中の多くの国で働きかが見直され、それと同時にIT技術の進歩が目まぐるしく進化しました。そのコロナ禍が明け、世界の働き方はどうなったのでしょうか。
現在の働き方(N=39,021 / 週4日以上の労働者)グラフからもわかるように、実はあまり大きく変わっていません。リモートワークを行っている、「フルリモート」と「ハイブリッド」を合わせても、全体の約3割に留まり、「完全出社」をしている人が多いことがわかります。
一時期は世界中で推奨されたリモートワークですが、、コミュニケーションや人事評価、業務進捗管理など、様々な面で課題となり、フルリモート勤務から従業員を出社勤務に戻す、いわゆる「オフィス回帰」を実施する企業が増えました。これは、現在の在宅勤務日数からもわかります。
現在の在宅勤務日数(N=19,248 / 在宅勤務経験者)働き方については、管理者と従業員間で対立がある、ということを耳にしたり実際に体験したりした人も多いのではないでしょうか。この双方の考え方による“分裂”は、日本国内ではもちろん、世界各国でも大きな話題となっていました。
報告書では、国別の「労働者の希望する在宅勤務日数」と「企業が労働者に認めている平均在宅勤務日数」が紹介されています。
労働者が希望する在宅勤務日数/週(N=42,426)労働者が2日前後の在宅勤務を希望する一方で、企業が認めている在宅日数は1日前後となっており、一番多いアメリカでも週に1.9日、少ないところでは、台湾や韓国、ヨーロッパ諸国は0.5~0.7日とギャップがあることがわかります。
実際の働き方状況を見てみると、世界各国では企業の意向が反映されている実態となっています。
終日在宅勤務だった日数/週(N=42,426)コロナ禍以降、リモートワークを完全に廃止した企業も中にはありますが、世界的に「オフィス回帰」の動きがある中で、リモートワークのメリットを鑑み、週に数日だけ在宅勤務で働く「ハイブリッドワーク」が増えつつあります。
企業と労働者の考え方にギャップはあるものの、企業側は離職防止や従業員満足度の向上、業務へのモチベーション向上、採用競争力の強化といった面から、無理のない範囲でのハイブリッド勤務を模索しているところでしょう。
しかし、厳しい経済状況が続き、雇用市場がさらに逼迫することとなれば、現時点で優位な立場にある企業としては、従業員の監視やモニタリング、人員管理の面から完全出社を義務化することで、オフィス回帰を積極的に推奨する可能性もあります。
どのような働き方が双方にとってのベストなのか、これは世界が直面している課題でもあります。
まだ手探り状態である「ハイブリッドワーク」という考え方をうまく導入するために、世界各国、あるいは企業では努力が続けられています。例えば、イギリスでは2024年春にフレキシブルに働く権利を保護するフレキシブルワーク制度が見直され、従業員は入社初日からフレキシブルな勤務形態を要求できるようになりました。
また、出社した従業員に対してより高い給与を支払ったり、付加価値をつけたりする「オンサイトプレミアム」を実施する企業も多く、日本企業でも導入している企業は少なくありません。
このように、企業と労働者との間で、上手くバランスを保つことで成り立っている「ハイブリッドワーク」は今後も多くの企業で導入され、より働きやすい環境になるよう双方の努力がなされていくことでしょう。
いかがでしたでしょうか?
コロナウイルス感染症が5類になって以降、日本だけではなく世界的にも完全リモート制度を廃止し、オフィス回帰を促進している企業が増えています。その一方で新しい働き方として、週に数日は在宅勤務で働く「ハイブリッドワーク」の制度が徐々に整備されつつあります。
企業側は労働者の離職防止や従業員満足度子往生、採用競争での優位性といった観点から今後も注目されることになるでしょう。労働者にとっても企業にとってもベストな労働環境を模索しながら、双方の歩み寄りで対立のない労働環境が今後も大いに期待されるでしょう。
自身にとってのベストな労働環境や、現在の働き方を変えてみたい方、現在転職を考えている方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。一人ひとりにあった働き方やキャリアプランをお伺いし、皆さまにとってのベストを提案させていただきます。